神戸にある「人と防災未来センター」に、9歳と6歳の娘を連れて行きました。
阪神・淡路大震災の記録から、地震の科学、VRでの災害体験、避難体験まで——親のほうが学ぶことの多い施設でした。ただ、子連れで行くときに気になるのは「子どもが怖がらないか」ですよね。
結論から言うと、怖がります。ただし全部が怖いわけではなく、怖がる展示ははっきり分かれます。そして年齢によって反応が変わることも、2回訪れて分かりました。この記事では、その実感と、行く前に知っておきたい実務的なことをまとめます。
結論:怖がるのは「再現映像」と「VR」。小1前後がヤマかも

わが家は3年ほど前にも一度訪れています。2回の体験を並べると、はっきりした傾向がありました。
- 3年前:当時の上の子が怖がり、地震の再現映像はパスせざるを得なかった
- 今回:下の子(6歳)が怖がるケースが多かった
つまり——同じきょうだいでも、怖がる時期が年齢とともに移った。上の子は3年前に怖がり、いまは平気。下の子はいま怖がる。
あくまでわが家の例ですが、小1前後は「怖い」と感じやすい時期なのかもしれません。お子さんがその年頃なら、怖がる前提で計画を立てると安心です。
怖がったもの・平気だったもの
- 😨 地震の再現映像:迫力があり、見るのを嫌がりました。見たあとはしばらく休憩が必要でした
- 😨 VR(津波の体験):同じく怖がりました
- 😀 地震の科学の展示:面白がっていました
- 😀 液状化現象の実験:これは楽しそうでした
- 😀 避難体験:前向きに参加していました
「体感型=怖い」ではありません。避難体験や実験は楽しめていたので、怖いのは”被害の生々しさ”を伝える展示だと感じました。
無理はしなくていい|途中退出の案内が繰り返されます
ここは施設側の配慮に感心した点です。VRや体験展示では、気分がすぐれなくなったら途中でも退出できることを、繰り返しアナウンスしてくれていました。
怖がる子どもだけでなく、実際に被災された方が当時を思い出してつらくなることもあるからだと思います。
だから「せっかく来たんだから全部見よう」と気負う必要はありません。無理そうなら抜ける。それでいいのだと、行ってみて分かりました。
行く前に知っておきたいこと

所要時間は「4時間」みておきたい
わが家は昼食後に行ったので2時間半ほどしか取れず、駆け足になってしまいました。展示のボリュームを考えると、次回は4時間くらいみたいというのが正直な感想です。
午前中から行くか、時間に余裕のある日を選ぶことをおすすめします。
料金|高校生以下は無料。会員証の提示で割引も
公式サイトによると(2026年8月時点)、観覧料はこうなっています。
- 大人 650円(20名以上の団体は500円)
- 大学生 450円(団体350円)
- 高校生以下は無料(中学生・小学生も無料)
- 70歳以上 300円/障がい者の方の割引あり
うれしいのが、個人でも各種会員証(JAF、コープこうべ等)の提示で団体料金が適用される場合があること。わが家も割引になりました。
さらに毎月17日は入館無料とのこと。日程を選べるなら覚えておくとよさそうです。最新の料金・開館時間・休館日は必ず公式サイトでご確認ください。
アクセスと暑さ対策
最寄り駅からは少し歩きます。夏場は帽子や日よけを持っていくことをおすすめします。この日はそこまで混雑していませんでした。
館内は飲食禁止|水分は入る前に
注意点として、館内は飲食禁止です。数時間かけて回るボリュームなので、入館前にしっかり水分を摂っておくことをおすすめします。
休憩できる場所については、受付で確認しておくと安心だと思います(わが家は把握できないまま回ってしまいました)。子連れだと途中で「のどが渇いた」となりがちなので、事前に押さえておきたいポイントです。
入館する前に、ぜひ見上げてほしいもの
展示以上に衝撃を受けたものがあります。それは建物の外側にありました。
ビルの外壁に、南海トラフ地震で想定される最大の津波の高さを示す垂れ幕が掲げられています。30mを超える高さ。見上げても、てっぺんがはるか上にある。
数字で「30m」と聞いても、正直ぴんときません。でも実際の高さとして目の前に示されると、意味がまったく変わります。
率直に感じたのは——「これは絶対に逃げられない」ということでした。走って逃げる、高い建物を探す、といった発想がまるで通用しない高さです。
この垂れ幕は建物の外にあるので、入館しなくても見られます。近くを通る機会があれば、それだけでも見上げてみてください。これを見るだけで、防災に対する意識は変わると思います。
※想定される津波の高さは、地域や条件によって異なります。お住まいの地域の想定は、自治体のハザードマップで必ず確認してください。
親の私が、いちばん学んだこと
正直に書くと、私自身は阪神・淡路大震災の被害を直接体験していません。神戸に住んでいても、当時を知らない立場の人間です。
だからこそ、被災から復興までの一連の記録は、地震の恐ろしさと、人々のつらさ、そして強さを知る貴重な体験でした。展示の中身をここで詳しく書くことはしませんが、実際に足を運んで見てほしいと思います。
「大げさなくらい、すぐ動く」
もうひとつ、強く意識が変わったことがあります。
災害時には「事態はそこまで深刻ではない」と自分に言い聞かせて安心しようとしてしまう心理があると言われています(正常化バイアスと呼ばれるものです)。でもそうしている間に、危険は迫ってくる。
「大げさだ」「過剰反応だ」と思われるくらい、身を守ることを優先してすぐ行動する——これが正解なのだと、あらためて思いました。
第一波を避けられたら安心、ではない
そしてもうひとつ。災害は繰り返し襲ってくる可能性があるということ。最初の揺れや波をやり過ごせたから安心、というものではありません。
VRや避難体験を通じて、「こんなときどうする?」を本気で考える時間になりました。瞬時の判断が、被害の大小を大きく左右する。だからこそ、「もし今ここで災害が起きたら」という意識を頭の片隅に置いて行動したいと思っています。
帰ってから、家族で話したこと
帰宅後、自然と出た話題が「この家は大丈夫なのか?」でした。
わが家は賃貸マンションです。家具の固定、備蓄、避難先の確認——やってきたつもりでも、あらためて見直したくなる。施設で学んだことが、そのまま家の話につながりました。
わが家の地震対策は背の高い食器棚をやめた話にまとめています。子どもとの避難の取り決めについても書いています。
話し合ったあと、「では何を備えればいいのか」で迷いました。そこで役に立ったのが、人と防災未来センターが公開している「減災グッズを備えよう!チェックリスト」です。備えを3つの段階に分けて整理してくれています。
- 0次の備え:いつも持ち歩くもの(ケータイなど)
- 1次の備え:非常持ち出し品(すぐ持って逃げられる1パック)
- 2次の備え:安心ストック(自宅に備えておくもの)
いいのは、チェックした日・次にチェックする日を書き込む欄があること。「1年に2回はチェックする日を決めておく」と書かれていて、備えを”やりっぱなし”にしない仕組みになっています。避難先や連絡先を記入する欄もあり、家族で話すときの土台にちょうどいい内容です。
👉 「減災グッズを備えよう!チェックリスト」(PDFが開きます)
※人と防災未来センター発行の資料です。最新版は公式サイトでご確認ください。
周辺で組み合わせられる場所
隣はJICAの施設|世界の料理が食べられる食堂
すぐ隣にあるのがJICA(国際協力機構)の施設です。活動の紹介展示があり、世界のことを学べる場所でもあります。
そして子連れにうれしいのが、世界の料理が味わえる食堂があること。価格も良心的で、わが家はこのあたりに来るときによく利用しています。
防災未来センターは館内が飲食禁止なので、食事や休憩をどこで取るかは事前に決めておきたいところ。その答えのひとつになります(営業時間やメニューは変わることがあるので、公式サイトでご確認ください)。
兵庫県立美術館も近く
兵庫県立美術館も近くにあります。安藤忠雄さんの建築である建物そのものも見どころですし、時期によってさまざまな展示・イベントが開催されています。
ただし正直に言うと、わが家は別々の日に行きます。理由は2つで、そこまで遠くないのでいつでも行けることと、子どもたちが疲れて集中できなくなるから。
防災未来センターだけでも、じっくり回れば4時間ほど。そこに美術館を足すと、子どもには確実に多すぎます。
とはいえ、遠方から来られる方なら抱き合わせもアリだと思います。「次はいつ来られるか分からない」なら、まとめて回る価値はあります。お子さんの年齢と体力に合わせて判断してください。
まとめ|怖がっても、連れて行く価値はある
- 怖がるのは「再現映像」と「VR」。科学の展示や避難体験は楽しめる
- 小1前後は怖がりやすい時期かも(わが家は3年前に上の子、今回は下の子)
- 途中退出OKのアナウンスがあるので、無理に全部見なくていい
- 所要時間は4時間みておきたい(2時間半では駆け足)
- 高校生以下は無料・会員証提示で割引・毎月17日は無料
- 館内は飲食禁止。水分は入館前に
怖がる展示があるのは事実です。でも、「怖い」と感じることも含めて学びだと思います。無理をさせない範囲で、ぜひ一度、家族で足を運んでみてください。


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